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アメリカの専門医教育について
大阪審美インプラントセンター副院長の須田剛義です。
今回は、私が受けてきたアメリカの専門医教育について記そうと思います。
日本では、大学における専門医教育が確立されておらず、大学院というのは研究機関で臨床医を育てるという機関ではありません。
アメリカでは、日本の医学と同じく歯科の分野でも専門医制が確立されており、日本とは異なり、アメリカの大学院では、次の世代を担う専門医を育てるシステムがあります。
専門医は、補綴専門医、歯周病専門医、歯内療法専門医、矯正専門医、顎顔面口腔外科専門医、小児歯科専門医の全部で6種類に分けられています。
アメリカ、ヨーロッパでは、専門医の確立により、治療の困難さや精密さにより、一般歯科医の紹介もしくは、患者さんが、必要に応じて質の高い治療をうけることができるというシステムになっています。
大阪大学在学中に、卒後の進路について悩んでいましたが、日本では臨床を学ぶ機関がなかったため将来の治療について不安を抱えていましたが、父の勧めと幸運が重なり、ボストンにあるタフツ大学という世界有数の教育機関で大学院に進学することができました。
大阪大学を2003年に卒業した後に、タフツ大学にて2004年の1月から2008年の秋まで過ごすことになり、そのうちの3年間を補綴科専門医過程に、1年間を口腔外科研修課程に使うことになりました。
かなり厳しいプログラムでしたが、とてもすばらしい教育が受けれたと思います。
タフツ大学は、世界で有名な大学だけあって、様々な国からこのプログラムに参加される先生達が多かったですね。
私の学年では、アメリカのみならず、イタリア、トルコ、クウェートなどの出身の学生がおり、他の学年も同じ様に、ギリシャ、ドイツ、UAE、台湾、韓国、ベネズエラ、ブラジルなど各国の優秀な先生達が集まっているというものでした。
教育内容は、3年間におよぶ患者さんの治療に基づいた臨床を軸として、500本以上の文献抄読に基づく講義や、実際のケースを基にしたプレゼンテーションなど、次世代を引っ張る補綴臨床家を養成するものになっています。実際、私の場合ですと、卒業までに何十症例かのとても難易度の高い治療を行いました。日本では、普通の一般開業医では、治療することのできない症例ばかりでした。
本当に厳しいプログラムで、毎日の睡眠時間は3時間程、週末も仕事に追われると言う様な私生活が全然ないような環境でしたが、学友達と助け合い、日本の歯科医療の為に頑張ろうと自分を奮い立たせていたのを今でも思い出します。
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